多くの企業で、自らの組織の強み・弱みについてさまざまな声が聞こえてきます。 しかし実際のところ、自社の組織がなぜ・どのように強い(弱い)のか、分かっているでしょうか? また、より強い組織を目指すために今どんな取り組みが必要か、説明できるでしょうか? 強い組織をつくるための第一歩は、自社の組織が現状どういう位置にいるのかを明確に理解し、変革への道筋を描くことです。
BCGではさまざまな業界で、組織の現状を評価し、明らかになった課題に応じた変革の道筋を描き、打ち手を具体化し実行するお手伝いをしています。
「規律」と「動機づけ」の二つの軸で評価 組織の強さは二つの軸で表すことができます (図1)。 一つ目の軸は、「結果を出すための規律」です。この軸で優れた組織は、健全な緊張感や説明責任が全員に共有されています。明確な成果目標を設定し、責任分担を明確にし、高いインセンティブで報いることで規律は向上します。 もう一つの軸は、個々人の「動機づけ」です。この軸で優れた組織は、従業員が高い満足度・充足感を持って仕事に臨んでいます。共通の目的意識を醸成し、権限委譲を進め、個々の成長を支援することで動機づけは向上します。 真の強い組織は共通して、「規律」と「動機づけ」の両者をバランス良く高い水準に維持しています。
変革の道筋 では、「勝てる組織」をつくるにはどんな打ち手が必要なのでしょうか。BCGでは多くの企業で、次の三つのステップでその企業独自の組織変革を実現するお手伝いをしています (図2)。 1. 現在地を把握する すべての出発点となるのが、今自社の組織がどのような位置にあるのか、現状を把握することです。「結果を出すための規律」、「動機づけ」のそれぞれにつき、従業員の意識が今どんなレベルにあるのか、詳細な意識調査を通じて目に見える形に落とし込みます。 2.変革の道筋を描く 現在地の診断結果を手にしたら、組織の弱みである要素を特定します。たとえば、同じ「仲良しサークル」に分類される組織でも、課題が報酬制度なのか、部門間の連携なのか、組織によって症状や原因は大きく異なります (図3)。また同じ企業の中でも、部署や世代などのセグメントにより課題認識が大きく異なる場合があります。組織の各セグメントの課題に対応して、どんな打ち手が必要となるか (業務分担見直し、報酬制度改革など)、打ち手のステップを立案します。 3. 道筋に沿って変革を推進する ロードマップが描けたら、その途上に配置した組織変革上の施策を一つずつ具体化していきます。この過程で注意すべきことは、意識調査の結果を、部門や組織ごとの成績評価ツールととらえないことです。意識調査では部門ごとの状況が明確に現れるため、ともすると各組織が良いか悪いか、意識水準が低い犯人探しに終始してしまいがちです。各組織への批評を超えた打ち手の議論に集中することが、成功する組織変革の出発点となります。
ロードマップ化のインパクト 組織の意識レベルと変革の道筋を具体的なロードマップに落とし込むことは、二つの大きなインパクトをもたらします。 1. 組織文化の「見える化」 詳細な意識調査は、各部・各階層の意識のギャップを明らかにします。BCGが支援したある国内メーカーでは、各部門が日常業務で組織への課題を感じながら、曖昧な課題認識について議論するための明確な共通言語がなく、何が全社組織の課題なのか、うやむやなままになっていました。意識調査を実施した後、合宿スタイルで役員が調査結果を徹底的に議論することで、「何となく感じていたもやもや」が一気に明確になり、認識の共有と解決策の議論が飛躍的に進むこととなりました。 2. フォーカスすべき分野の特定 組織の強み・弱みを明らかにすることで、優先度の高い組織上の打ち手を短期間に集中して実行することができます。BCGが支援したある海外メーカーでは、ロードマッピングで課題が明らかになった、営業の報酬制度・組織内キャリアパス・トレーニングの改革を、診断から半年以内に実行しました。その結果、その後の新製品の販売拡大を立て続けに成功させることができました。
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